しあわせのしっぽ

朝鳴く蝉と夜鳴く蝉

青葉に覆われたさくら並木は

昼に近いというのに鬱蒼として 蝉しぐれ 

ふと

昨夜と今朝に聞いた蝉の声は

ここにあるのだろうかと

蝉にも居べき場所と時があるのかもしれないと思う


わたしは元気ですと一枚の手紙を添えて

付け届けを送る

一枚では書き足りぬ思いを消して

ひと気のない本堂に こころを運んで

不義理をお許し下さいと結ぶ五回目の夏


いつか いつか

そのいつかが とても近いところにあるような気がする

いつかをいつにするかは 

きっと わたし次第なのだろうとも


何年 海を見ていないのだろう

忘れえぬ人達と出会い 多感な時を過ごした海

寄せてはかえす波に だれかの形見を見つけたい

海は今も あの時のまま 変わらずにあるのだろうから

何年も何年も わたしのこころを捉え続けている時代のように